目次

建設業許可申請

経営事項審査申請

経営状況分析

建設業許可申請

Q. 建設業の許可を受けている業者はどれくらい?

建設業の許可を受けている業者は約46.5万社。(2017年末)

このうち、公共工事受注希望者、すなわち経営事項審査(経営状況分析)を受けている業者は約14万社。

さらに、許可を受けずに建設業を営む業者を含めると50万社を超える。

※公共工事を国・地方公共団体から直接請負う(元請)建設業者は、経営事項審査(経営状況分析)を毎年受ける必要があります。

Q.   許可から入札までの流れは?

建設業許可申請⇒経審(分析)の申請⇒入札参加資格申請⇒入札参加⇒公共工事の受注

Q. 建設業許可とは?

原則として、建設業を営む場合には、元請・下請・個人・法人の区別なく、許可が必要。

Q. 許可が不要な場合は?

小規模工事のみは許可が不要

①建築一式工事以外⇒1件の請負代金が500万円未満の場合(税込)

②建築一式工事の場合⇒1件の請負代金が1500万円未満の工事、又は木造住宅の延面積が150㎡未満の工事(主要部分が木造で、延面積の1/2以上を居住の用に供すること)

Q. 業種別に許可が必要?

29業種ごとに許可が必要。

Q. 29業種とは?

1 土木一式工事 16 ガラス工事
2 建築一式工事 17 塗装工事
3 大工工事 18 防水工事
4 左官工事 19 内装仕上工事
5 とび・土工・コンクリート工事 20 機械器具設置工事
6 石工事 21 熱絶縁工事
7 屋根工事 22 電気通信工事
8 電気工事 23 造園工事
9 管工事 24 さく井工事
10 タイル・れんが・ブロック工事 25 建具工事
11 鋼構造物工事 26 水道施設工事
12 鉄筋工事 27 消防施設工事
13 舗装工事 28 清掃施設工事
14 しゅんせつ工事 29 解体工事
15 板金工事

Q. 大臣許可と知事許可とは?

①大臣許可⇒2つ以上の都道府県に営業所がある場合

②知事許可⇒営業所が1つのみ、2つ以上あるが1つの都道府県のみ

Q. 一般建設業と特定建設業とは?

一般建設業

①下請としてのみ営業

②元請はするが、発注者から直接請負った工事の4000万円以上(建築一式の場合は6000万円以上)を下請に出さない。

特定建設業

元請をする場合に、発注者から直接請負った工事の4000万円以上(建築一式の場合は6000万円以上)を下請に出す。

※下請が下請に出す場合は4000万円以上でも特定の許可は不要。

Q. 建設業許可を受けるための要件とは?

以下の要件を全て満たす必要

①経営業務の管理責任者がいること

②専任の技術者がいること

③請負契約に関して誠実性があること

④請負契約を履行するに足る財産的基礎または金銭的信用があること

⑤欠格要件等に該当しないこと

Q. 経営業務の管理責任者の条件とは?

法人⇒常勤の役員であること

個人⇒事業主本人 または 支配人登記した支配人

が、次のいずれかに該当すること。

 

①許可を受けようとする建設業に関して、5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有していること。

②許可を受けようとする業種以外の建設業に関し、6年以上経営業務の管理責任者としての経験を有していること。

③許可を受けようとする建設業に関し、経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって、6年以上経営業務を補佐した経験を有していること。

④許可を受けようとする建設業に関し、経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって、5年以上執行役員等として経営業務を総合的に管理した経験を有していること。

Q. 専任の技術者とは?

一般建設業

①高等学校指定学科を卒業した後5年以上の実務経験を有するもの、又は大学(高等専門学校・旧専門学校含む)指定学科を卒業した後3年以上実務経験を有する者

②許可を受けようとする業種について10年以上の実務経験を有する者

③許可を受けようとする業種に関して必要な資格を有する者(2級施工管理技士等)

④国土交通大臣が個別の申請に基づき認めた者

 

特定建設業

①許可を受けようとする業種に関して必要な資格を有する者(1級施工管理技士、1級建築士、技術士等)

②一般建設業のいずかの要件に該当し、かつ元請として4500万円以上の工事について2年以上指導監督的な実務経験を有する者⇒指定7業種の場合は不可

<指定7業種>土木工事業、建築工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、電気工事業、造園工事業
の場合は、1級の国家資格者、技術士の資格者、国土交通大臣が認定したものでなければならない。

③国土交通大臣が①②に掲げる者と同等以上の能力を有すると認めた者

Q. 誠実性とは?

請負契約の締結やその履行に際して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと。

誰が?

法人⇒当該法人・非常勤役員を含む役員等・施行令第3条に規定する使用人(支配人及び支店又は営業所の代表者(支配人である者を除く。)。以下「令第3条の使用人」という。)

個人⇒本人・支配人・令第3条の使用人

不正な行為」:請負契約の締結、履行に際する詐欺・脅迫・横領等の行為

「不誠実な行為」:工事内容、工期、天災等不可抗力による損害の負担等について請負契約に違反する行為

 

誠実性を満たさない場合の例

上記行為のため、建築士法・宅地建物取引業等の規定による免許等の取消処分(最終処分)から5年を経過しない者。

Q. 請負契約を履行するに足る財産的基礎または金銭的信用とは?

一般建設業(以下のいずれかに該当すること)

①自己資本の額が500万円以上であること

②500万円以上の資金を調達する能力を有すること

③許可申請前の直前5年間許可を受けて継続して建設業を営業した実績を有すること

 

特定建設業(以下の全てに該当すること)

①欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと

②流動比率が75%以上であること

③資本金の額が2000万円以上であり、かつ自己資本の額が4000万円以上であること

Q. 欠格要件とは?

許可制度自体からの欠格要件

許可申請書又はその添付書類中に虚偽の記載があった場合や重要な事実に関する記載が欠けている場合。

 

建設業者としての欠格要件

許可申請者やその役員等、令第3条の使用人が次に掲げるものに1つでも該当する場合(令第3条の使用人は、常勤性が必要)

① 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの

② 不正の手段により許可を受けたこと等の理由によりその許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者

③ 許可の取消処分を免れるため廃業の届出をした者で当該届出の日から5年を経過しない者

④ 上記③の届出があった場合において、許可の取消処分に係る聴聞の通知の日前60日以内に当該届出に係る法人の役員等若しくは令第3条の使用人であった者又は当該届出に係る個人の令第3条の使用人であった者で、当該届出の日から5年を経過しない者

⑤ 営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者

⑥ 許可を受けようとする建設業について営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者

⑦ 次に掲げる者で、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

●禁錮以上の刑に処せられた者

● 建設業法の規定に違反したことにより罰金の刑に処せられた者

●建築基準法、労働基準法等のうち建設業法施行令第3条の2に定める規定に違反したことにより罰金の刑に処せられた者

●刑法第204条、第206条、第208条、第208条の2、第222条若しくは第247条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられた者

⑧ 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(「暴力団員等」という。)、又は 暴力団員等がその事業活動を支配する者

Q. 許可申請の区分とは?

①新規

現在、どの許可行政庁からも建設業の許可を受けていない者が、新たに許可を受けようとする場合

②許可換え新規

現在有効な許可を受けている許可行政庁以外の許可行政庁に対し、新たに許可を申請する場合
・他の都道府県知事許可から兵庫県知事許可へ
・兵庫県知事許可から大臣許可へ
・大臣許可から兵庫県知事許可へ

③般・特新規

・現在一般建設業の許可のみを受けている者が新たに特定建設業の許可を申請する場合
・現在特定建設業の許可のみを受けている者が新たに一般建設業の許可を申請する場合(ただし、特定のみの業者がすべての許可を一般にする場合は「般・特新規」ではなく「新規」となる。)

④業種追加

・現在一般建設業の許可業者が他の業種の一般建設業の許可を追加して申請する場合
・現在特定建設業の許可業者が他の業種の特定建設業の許可を追加して申請する場合

⑤更新

既に受けている建設業の許可をそのままの要件で引き続き申請する場合

⑥③+④

上記③と④の申請を同時に申請する場合

⑦③+⑤

上記③と⑤の申請を同時に申請する場合

⑧④+⑤

上記④と⑤の申請を同時に申請する場合

⑨③+④+⑤

上記③と④と⑤の申請を同時に申請する場合

Q. 許可を受けた後に必要な手続は?

許可を受けた後に商号又は名称、営業所の名称及び所在地、資本金額、経営業務の管理責任者、専任技術者等に変更があったとき、毎事業年度が終了したとき等は、その旨の変更届出書を許可行政庁に提出しなければなりません。

事実の発生したときから2週間以内

経営業務の管理責任者・専任技術者・令第3条の使用人に変更があった場合、経営業務の管理責任者又は専任技術者が欠けた場合 など

事実の発生したときから30日以内

商号又は名称・資本金額(出資総額)・役員等・支配人に変更があった場合、個人の事業主、支配人又は法人の役員等の氏名に変更があった場合 など

毎事業年度終了後4か月以内

毎事業年度(決算期)を経過したとき(決算の変更届)

使用人数・令第3条の使用人の一覧表・国家資格者等・監理技術者一覧表の記載技術者・定款・健康保険等の加入状況 に変更があった場合など

Q. 許可の有効期限は?

建設業の許可の有効期間は、5年間

許可の有効期間は、許可のあった日から5年目の許可があった日に対応する日の前日をもって満了。なお、当該期間の末日が日曜等の休日であってもその日をもって満了。

許可は、5年ごとに更新を受けなければ、失効。

更新は、従前の許可の有効期間が満了する日の3か月前から30日前までに申請する必要。

 

経営事項審査申請

Q. 経営事項審査とは?

公共性のある施設又は工作物に関する建設工事(ただし、工事1件の請負代金の額が、建築一式工事にあっては1,500万円未満、その他の工事にあっては500万円未満である等いわゆる軽微な建設工事を除く。以下「公共工事」という。)を国、県その他の地方公共団体等の発注者(以下「発注機関」という。)から直接請け負おうとする建設業者(建設業法第3条第1項の許可を受けた者)が必ず受けなければならない審査。

公共工事の各発注機関は、公共工事の入札に参加しようとする建設業者について、あらかじめ資格審査を行い、欠格要件に該当しないかどうかを審査した上で、客観的事項と主観的事項の審査結果を点数化し、順位付け、格付けを行うこととしています。

資格審査のうち、客観的事項の審査が、建設業法に定める経営事項審査。
なお、経営事項審査は、「経営状況」と「経営規模、技術的能力その他の客観的事項(以下「経営規模等評価」という。)」について数値により評価。

⇒経営状況分析(Y)とは?

国土交通大臣の登録を受けた登録経営状況分析機関が、自らの責任において経営状況に関する審査を行い、経営状況分析結果通知書を申請者に交付。

後述

⇒経営規模等評価(X、Z、W)とは?

許可行政庁が、経営規模、技術力、社会性等に関する審査を行い、経営規模等評価結果通知書を申請者に交付。

⇒総合評定値(総合評点)(P)とは?

総合評定値は、許可行政庁による経営事項審査の対象から切り離されており、経営規模等評価の申請時に、建設業者が経営状況分析結果通知書を添付して請求しなければ、当然には通知されません
一方、ほとんどの発注機関の入札参加資格審査申請や入札参加においては、総合評定値の提出が求められますので、入札参加等をしようとされる建設業者の方は、総合評定値の請求をしておくことをお勧めします。

総合評定値(総合評点)(P点)5項目で評価。

項目 評価項目 係数
X1 「工事種類別年間平均完成工事高」評点 0.25
X2 「自己資本額」「平均利益額」評点 0.15
Y 「経営状況分析」評点 0.2
Z 「技術力」評点 0.25
W 「その他審査項目」(社会性等) 0.15

(各評点に小数点以下の端数がある場合は、それぞれ切捨てとする。)

総合評点(P)= 0.25・X1 + 0.15・X2 + 0.2・Y + 0.25・Z + 0.15・W(小数第1位四捨五入)

Q. X1:「工事種類別年間平均完成工事高」評点とは?

業種別完工高(2年/3年平均:有利な方を選択)を計算

完工高テーブルにあてはめてX1評点を算出

完工高評点テーブル

 

Q. X2:「自己資本額」・「平均利益額」評点とは?

自己資本額(単年/2年平均:有利な方を選択)を計算し、評点X21を算出。

平均利益額(営業利益+減価償却実施額)2年平均を計算し、評点X22を算出。

X2=(X21+X22)÷2

「自己資本額」「平均利益額」評点テーブル

Q. Y:「経営状況分析」評点とは?

後述

Q. Z:「技術力」評点とは?

技術職員数値を算出し、Z1を算出。

工事種類別年間平均元請完工高(2年平均/3年平均)を計算。元請完工高テーブルにあてはめて Z2 評点を算出。

Z=0.8 × Z1 + 0.2× Z2

技術職員数値・元請完工高テーブル

Q.  W:「その他の審査項目」評点とは?

項目 評価項目
W1 労働福祉の状況
W2 建設業の営業継続の状況

W21:建設業の営業年数

W22:民事再生法または会社更生法適用の有無

W3 防災協定締結の有無
W4 法令順守の状況
W5 建設業の経理の状況

W51:監査の受審状況

W52:公認会計士等数

W6 研究開発の状況
W7 建設機械の所有及びリース台数
W8 国際標準化機構が定めた規格による登録の状況
W9 若年の技術者及び技術労働者の育成及び確保の状況

W=(W1+W2+W3+W4+W5+W6+W7+W8+W9)×10×190÷200

その他の審査項目テーブル

経営状況分析

Q. 経営状況分析とは?

資格審査のうち、客観的事項の審査が、建設業法に定める経営事項審査。
なお、経営事項審査は、「経営状況」と「経営規模、技術的能力その他の客観的事項(以下「経営規模等評価」という。)」について数値により評価。

国土交通大臣の登録を受けた登録経営状況分析機関が、自らの責任において経営状況に関する審査を行い、経営状況分析結果通知書を申請者に交付。

Q. 「経営状況分析評点(Y)」とは?

項目 評価項目 指標
X1 総支払利息比率 負債抵抗力
X2 負債回転期間
X3 総資本売上総利益率 収益性効率性
X4 売上高経常利益率
X5 自己資本対固定資産比率 財務健全性
X6 自己資本比率
X7 営業キャッシュフロー 絶対的力量
X8 利益剰余金

Y=167.3×A(経営状況点数)+583

A=-0.4650・X1-0.0508・X2+0.0264・X3+0.0277・X4+0.0011・X5+0.0089・X6+0.0818・X7+0.0172・X8+0.1906

A⇒倒産・非倒産の判別分析により導出

 ⇒A=0が倒産判別点

Q. X1:「総支払利息比率」とは?

計算式 上限 下限
(支払利息-受取利息・配当金)/売上高×100 -0.3 5.1

Q. X2:「負債回転期間」とは?

計算式 上限 下限
(流動負債+固定負債)/(売上高÷12) 0.9 18.0

Q. X3:「総資本売上総利益率」とは?

計算式 上限 下限
売上総利益/総資本(2期平均)×100 63.6 6.5

Q. X4:「売上高経常利益率」とは?

計算式 上限 下限
経常利益/売上高×100 5.1 -8.5

Q. X5:「自己資本対固定資産比率」とは?

計算式 上限 下限
自己資本/固定資産×100 350.0 -76.5

Q. X6:「自己資本比率」とは?

計算式 上限 下限
自己資本/総資本×100 68.5 -68.6

Q. X7:「営業キャッシュフロー」とは?

計算式 上限 下限
営業キャッシュフロー/1億(2期平均) 15.0 -10.0

Q. X8:「利益剰余金」とは?

計算式 上限 下限
利益剰余金/1億 100.0 -3.0

 

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